株式会社コスモスイニシアさまインタビュー②<働き方改革*ワークモジュールプロジェクト>
北畠 温子 さま
Q:プロジェクト前に御社が抱えていた、会社や部門内の一番の課題は何ですか?
A:弊社賃貸事業部ではジョブローテーションが積極的には行われておらず、同じ人が同じ仕事を担当し続けるという傾向がありました。
各メンバーは意欲的に各自の業務改善や工夫をしていましたが、自分なりの工夫には個人差や偏りもあって、組織全体を見たときに、もっと別の部分に注力が必要というところも見受けられました。
また、各メンバーが、その仕事が何に繋がり何のためにするのかという〝目的〟をしっかり理解したうえで仕事に取組める状態ではなかったようにも思います。
Q:フレーム&ワークモジュールを活用した、働き方改革プロジェクトに取り組まれたきっかけを教えてください。
A:賃貸事業部長の塩見から、フレーム&ワークモジュール講座レベル1への参加要請があり、各課が課長(北畠)と、選抜メンバー数名(カスタマー部門は3名)で参加しました。
その後、本格的にプロジェクトに取り組みたい部門が手を上げ、カスタマーサポート部門を含む計3チームが参加することになりました。
実は、講座レベル1受講時には、フレーム&ワークモジュールの本当の良さは実感としてわかっていませんでした。
なぜなら、賃貸事業部から多くの部署が参加した上に、参加したのは限定的なメンバーであったためです。
講座の中のグループワークでは、同部門でも異なる業務を担当するメンバー同士で一つのマニュアルを作りましたので、話し合った内容も少し表面的な感じがしました。
しかし、マニュアルを作ることをきっかけに、先ほど申し上げた「仕事の目的を明確にすること」を実現したく、やってみようと思ったのです。
Q:課題解決のために、弊社のコンサルティングにどのようなことを期待しましたか?
A:繰り返しになりますが、仕事の目的を明確にしたかったことと、他には、総合職社員、オフィス業務専門職社員、派遣社員、時短勤務を選択している者と、
経験やスキル、勤務形態や勤務時間が異なる職場の全員が〝自分ごと〟として同じ方向で仕事をとらえられるようになったらよいなと思っていました。
ですから、今回のフレーム&ワークモジュールのプロジェクトには、選抜メンバーでなく部門全員が参加できると聞いて、
「これはよい!」と思ったのです。各メンバーが当事者意識を持って、積極的に他メンバーと連携しながらマニュアルを作っていくところも良いと思います。
Q:プロジェクトを通じて、御社の課題はどのように変化、改善しましたか?
A:最初は、マニュアルを作ることだけに着眼していたので、きついのではないかと思っていました。
しかし、ある程度マニュアルができてくると、「何のためにやっているか」という、各業務における〝本来の目的〟についての会話が、メンバーの中から自然に始まってきました。
また、チーム外の連携メンバーにも、相互で相談したり調整したりという動きが自発的に起こってきましたし、他部門のマニュアルから、
工夫や改善を自部門にも結び付けるということもできるようにもなってきました。
田原さんが、「マニュアルは、手段であって、目的ではない」ということを、繰り返し言われていた意味が、回を重ねるごとに納得、そして浸透してきています。
Q:プロジェクトを通じて様々な作業を行いましたが、御社の課題解決に一番効果的だったのはフレーム&ワークモジュールのどのような部分でしょうか?
A: PDCAだと思います。PDCAの中で「何のために、その仕事をするのか」という目的を繰り返し取り上げ考えることで、自部門からから連携部門へ、そしていずれは事業部全体へと、‘視野が大きく拓けてくる’ことです。
例えば、私たちの部署は、カスタマー対応が仕事ですが、目的は、対応業務そのものではなく、その業務を通じて、お客さまに「コスモスイニシアの物件を選んで良かった」と思って長くお住まいいただき、また、ご縁がある時には、ぜひまた当社の物件を借りていただけるように事業運営に活かしていくことです。お住まいの物件やケースに合わせて、判断軸を持って迅速に対応する。
今回のマニュアルで、「業務そのもの」でなく、「業務を通じて、私たちが何を提供し、あるべき姿や思考はどうなのか」を共有するという方向性が見えました。
田原さんがよく言われている、「マニュアルは完成がゴールでなく、ひとまず完成させたら、それがスタート地点で、PDCAによって、みんなの現場の知恵を、さらにマニュアルに入れていく」という言葉のとおりにブラッシュアップされていくと素晴らしいと思います。
Q:プロジェクトの中で部下たちの取り組み姿勢が前向きに変わったターニングポイントは何でしたか?
A:キックオフの時から、メンバーが驚くほど積極的だったので、「ここから、変わった!」というところはないのですが、回を重ねるごとに、プロジェクトに対するコミットの度合いの傾斜がどんどん高くなってきたように感じます。
最初は、義務感で取り組んでいた部分もあったかと思いますが、徐々に納得感を持って取り組むように変化していきました。
それに、個人でこういった研修を受講するのは時間的にも経済的にも負担になりますが、業務時間の中で、すぐに使えるビジネススキルが習得でき、今後のキャリア形成にも繋がるということもしっかり伝えていきました。
Q:プロジェクトを通して印象的だったエピソードや発言などがあれば教えてください。
A:そのチームの中の、リーダーの存在がとても大切だと思います。同じチームの中でも人によって温度差があって、なかなか同じようには進められません。
しかし、チーム内のリーダーがメンバーの状況を確認しながら牽引していくことで、チーム全体が活性化していきます。
このプロジェクトに取り組むことで、チームビルディングにも繋がっていると思います。
Q:フレーム&ワークモジュールを導入したことで、ご自身の中に何か新しい気付きや発見がありましたら是非教えてください。
A:メンバーに判断をまかせられる範囲が、広がってきたと思います。仮に上司が変わっても、現場の仕事は安定していて、担当者が自分の判断軸を持って自信をもって対応をしているような取り組み方、そういう実力が徐々についてきたと思っています。
Q:管理職として今後のお仕事のやり方に、フレーム&ワークモジュールは活用できそうですか? また、お仕事のやり方は今までとどのように変化しそうですか?
A:全体最適を意識した業務配分、人材マルチ化やジョブローテーション等がもう少し積極的にできるようになると思います。そして全員で協力して、これまで以上に高い品質で効率の良い仕事ができるようになると思っています。
Q:今回のプロジェクトを行って、ご自身にとって一番良かったと思う部分はどこでしょうか?
A:今の時点でも、メンバーにかなり力がついたことが、一番よかったですね。それぞれが自分事として、積極的な意見や改善案を出してくれています。
これまでは、上司の判断待ちがボトルネックとなることもあったのですが、フレーム&ワークモジュールで判断軸のベースができると、この状況の改善にもつながります。
メンバーが誰かの指示ではなく自ら考えを組み立て、自信を持ってしっかりと動ける範囲が広がっていくと思います。
Q:今回のプロジェクトを行って、会社全体にとって一番良かったと思う部分は何でしょうか?
A:参加者の中で、マニュアルが共通言語化したことです。メンバーからは、「この業務は、マニュアル化しておこう」という発言が、よく聞かれるようになりました。
そして、プロジェクトは上司自身も一緒に取り組むことが大切ですし、メンバーが充実した達成感を味わえることが一番重要ですね。